2011年6月の意向
 主からの召し出しを受けた司祭の多くは、社会のさまざまな矛盾やゆがみによって大きなストレスの中で日々を過ごしています。その中にあっても、神の真理を常に証ししていく使命が与えられている司祭が、充分な栄養と休養をとり、心も体も元気な状態で奉仕することができるように、祈り支えてまいりましょう。また、修道者、奉献生活者、宣教者の心と体の健康についても心を配りながら、日々をささげてまいりましょう。
 NICE-1で示された「ともに」という姿勢は、教会共同体の本質です。この温かな共同体に生きることで、一人ひとりが受けたストレスを互いに和らげ合うことができるのではないでしょうか。イエスを頭としてともに生きる共同体の豊かさが、よい知らせとなって人々に伝わっていきますように祈りましょう。


一般: 司祭の証し
 司祭が、キリストのみ心に結ばれて、思いやりといつくしみにあふれる神の真理を、常に証ししていくことができますように。

宣教: 宣教者の召命
 神の国を伝え広めるためにすべてを捧げる宣教者が、聖霊の働きによって、私たちの共同体から召し出されますように。

日本の教会: 日本における福音宣教の推進
 日本の教会が社会に福音をいっそう広めていくことができますように。

「NICE-1から20年が過ぎました。司教団が掲げた『ともに喜びをもって生きよう』と『分かち合い』の勧めは確実に浸透しつつあります。とくに近年、聖書の分かち合いが各地で頻繁に行われるようになってきたことは喜ばしいことです。また、外国籍信徒の増加がめざましく、信徒総数の50%を超えると思われ、韓国やフィリピンなど、アジアの人々との連帯も進んできました。他方、以前にも増して、多くの人が心身の重荷に苦しみ、福音に飢え渇いています。現代の荒れ野とも言うべき、厳しい社会・家庭環境において人々が悩み、苦しんでいる今、わたしたちは『神であるにもかかわらず兄弟の一人となられたキリストにならい、全ての人に開かれ、全ての人の憩い、力、希望となる信仰共同体を育てるよう努めたい』(「第1回福音宣教推進全国会議 参加者一同の宣言」参照)との決意を新たにし、それを未来につないでいきたいと思います。」
――日本カトリック司教協議会 NICE「振り返り」担当司教 (2008年6月3日 NICE-1から20周年―パウロ年と列福式を迎えて―)
写真: 岸 秀雄