2011年8月  2.キリストに根ざして生きる1(マドリードへ旅する若者へ)
 イエスに根づいているとは、すなわち、しっかりとイエスに基礎がおかれているということでしょう。私たち一人ひとりがこのワールドユースデーの大会を通してイエスに出会い、しっかりと基礎をおくように招かれています。イエス自身、弟子たちに向かって「わたしはぶどうの木、あなたがたはその枝である。人がわたしにつながっており、わたしもその人につながっていれば、その人は豊かに実を結ぶ。わたしを離れては、あなたがたは何もできないからである。」(ヨハネ15・5)とおっしゃっています。
 マドリードへの旅を続ける皆さんと共にいらっしゃるイエスとはどんな方なのでしょうか。ルカ福音書(24・13-35)のエマオに向かう弟子と共に歩まれたイエスが、最も身近に感じられるイエスの姿の一つでしょう。二人の弟子が、エルサレムからエマオへ向かって歩きながら、話し合い論じ合っていると、イエス御自身が近づいて来て、一緒に歩き始められ、「歩きながら、やり取りしているその話は何のことですか」と言われました。皆さんはマドリードに向かって話し合い論じ合っていることでしょう。一緒に歩み、皆さんの疑問に心から耳を傾け聴き入り、ともに論じ合うまでイエスが近くに来られているはずです。そして二人の弟子に、モーセとすべての預言者から始めて、聖書全体にわたり、御自分について書かれていることを説明された、とあります。聖書全体から、イエスご自身の死と復活について語られます。マドリードに向かう友となった方々とともに論じ合い、聖書を読み合うことを通して、ついには、「道で話しておられるとき、また聖書を説明してくださったとき、わたしたちの心は燃えていたではないか」(ルカ24・32)という告白となって実を結ぶといいですね。