2011年9月の意向 |
今月の教皇の意向は、教育とアジアです。その意向を踏まえて掲げられた日本の教会の意向は、「移住移動者の子ども」いわゆる「ダブルの子」の教育です。 日本人カトリック信徒は約40万人ですが、ほぼ同数、あるいはそれをやや上回る外国籍の信徒が日本で暮らしていると推定されます。フィリピンでは教会に名前を登録する信徒台帳がないので、日本で暮らすフィリピン籍の信徒数が正確に把握できません。 外国から日本に移住した信徒の子どもたちは、親の文化と日本の文化の二つを、どちらも不完全な形で継承しながら、自らのアイデンティティの確立に苦しんでいます。すぐ近くで暮らす「ダブルの子」に教育の場で援助を行うことは急務なのです。この意向を祈りながら毎日をささげましょう。 一般: 教育に携わる人の愛 教育に携わるすべての人が、まことの愛のうちに行われるコミュニケーションを身につけ、真の道徳と霊的価値を、教え伝えることができますように。 宣教: アジアのキリスト者 アジアのキリスト者の共同体が、情熱を傾けて福音を宣べ伝え、信仰の喜びをもって福音の美しさを証しすることができますように。 日本の教会: 日本国内にいる移住移動者の子ども 日本国内にいる移住移動者の子どもの教育が推進されますように。 「イエス・キリストは、ヘロデの脅威のために、生まれたばかりで難民となる悲惨な体験を味わいました。そこでキリストは、弟子たちに深い尊敬と愛をもって子どもたちを受け入れるようにと教えました。実際、子どもは、国籍や皮膚の色の違いにかかわらず、何よりもまず常に、神の像である人格として扱われなければなりません。この人格を尊重し、あらゆる排除と搾取から守らなければなりません。とくに外国に住む若者を法的な面で保護し、何よりも彼らが多くの問題に直面しなければならないときに彼らに同伴するよう努める必要があります。わたしは若い移住者と難民の奉仕を行うキリスト教共同体と組織を力強く励ますとともに、すべての人に勧めます。真の福音的精神に従って、これらの移住者と難民に対する教育的・文化的感覚を生き生きと保ってください。」 ――教皇ベネディクト十六世 (2010年1月17日「お告げの祈り」のことば) |
写真: 岸 秀雄 |