2011年10月  3.世界宣教のために
 キリシタン時代の優れた福音宣教の促進を仰ぎ見て学びましょう。
 キリシタンは、秀吉の激しい迫害(1587年)があったにもかかわらず、250年間、信仰を代々に伝えることができました。そして、自分の命を与えて殉教者となるほど、最高の信仰を子孫に伝えました。また不思議なことに、当時の信徒は、司祭がいない、ミサとご聖体がない、教会がない、そして聖書もない状況のもとで、口と行いで証しして250年間、最高の信仰を伝えました。2000年間のカトリック教会の歴史の中で、このような福音宣教の熱心さの実例は、どこにもありません。
 当時の信徒は、福音を伝えるために3つの組織を作りました。

A)信仰教育の組
 彼らは定期的に密かに集まり、暗記した聖書と教理を次の世代に伝えました。

B)祈りの組
 ミサもなく、ご像もなく、信徒たちは個人的に、あるいは隠れ場に集まり、神に祈りました。彼らが一番憧れていたのは、実際にはなかったミサとご聖体でした。サンタ・マリアに絶えず祈り、ロザリオを捧げました。

C)哀れみと行いの組
 互いに助け合って、飢えていた人々を食べさせたり、病人を癒したり、年を取った方々を慰めたりしました。厳しい迫害と調べと踏み絵さえも、彼らの信仰と福音宣教を圧迫することはできませんでした。

 願わくは、この優れた信仰者の子孫である21世紀の私たち日本人は、彼らの熱意に励まされて、同じ福音宣教の促進に燃え上がるように祈り、また福音宣教に努めている教会に惜しまない霊的・物的な援助をしてまいりましょう。