2011年12月  2.私をあわれんでください
 今年最後の初金曜日に、聖心をあおぎながら、聖心の想いが日本中に広がって、すべての人々が救われるように祈りましょう。
 12月3日は聖フランシスコ・ザビエルの祝日です。聖人が中国の上川島で亡くなる時、どんな思いであったでしょうか。キリストは天に昇られるとき、使徒たちに「あなたがたは行って、すべての民を私の弟子にしなさい」と命令されました。ザビエルはその命令を文字通りに受け取って、1549年8月15日に鹿児島に上陸しました。おそらくその時、自分の宣教によって、こんなにたくさんの殉教者が日本に生まれるとは、夢にも考えなかったでしょう。1622年9月10日、日本福者殉教者記念日の日に祝われた、ブラザー・レオナルド木村と、セバスチャン木村の二人はイエズス会士で、ザビエルから最初に洗礼を受けた人の子孫にあたります。鹿児島で福音宣教を始めたフランシスコ・ザビエルのたどたどしい日本語が、荒れ野に叫ぶ者の声のように響きました。
 更に山口の大道寺跡を最初の教会として大内氏より受け取り、山口での本格的な宣教を始めたときも、フランシスコ・ザビエルはただ井戸の端に立って祈っているだけでした。主に日本語を話したのはブラザー・フェルナンデスでした。しかし、ここで最初に洗礼を受けたのは、盲目で身体の不自由な琵琶法師のロレンソとダミアンでした。彼らは不自由な目と不自由な体で、どんな真理を受け取ったのでしょうか。
 「み言葉は肉となって、私たちの中にお住みになられた。」貧しい馬小屋で生まれ、貧しい人々とともに過ごし、病人をいやし、本当の幸福とは何かを身をもって示され、最後に十字架に身をささげるほどの愛を示された方は、神の御子以外にあり得ないと聖なる五感で悟ったのでした。
 福音の中でキリストは二人の盲人をいやし、「あなたがたの信じている通りになるように」と言われますが、その通りです。