2012年1月  4.エキュメニズムの歩み
 キリスト教一致祈祷数間は、毎年1月18日から25日までキリスト教諸教会の間で行われるもので、「すべての人を一つにしてください(ヨハネ17・21)」という最後の晩餐でのイエスの祈りを思い、同じキリスト者として、共に祈り、分かち合い、一致の精神を示すことを目的としています。
 米国の聖公会司祭(後にカトリックに改宗)で、アトンメント会創立者のポール・ワトソン師が、キリスト教の一致を願い、1908年1月18日から25日まで、8日間の祈りを捧げることを提案したことが、この祈祷週間の起源となりました。
 その後フランスのリオンで、ポール・クトゥリエー師がそれを引き継いで、カトリック教会に広めました。その目的は、エキュメニズムに愛と祈りの心を与えることでした。
 メッヒェレン大司教、メルシエー枢機卿は、1921年から1927年まで、聖公会の司教と教会一致を求めて話し合っていました。それでもエキュメニズムに対するカトリック教会の反応は、非常に遅かったのです。そして分離された同胞のキリスト信者が、カトリック教会に戻ることを願っていました。メルシエー枢機卿は「一致するために愛し合うことは必要ですが、愛し合うためには互いに知り合うこともまた必要です」と言われました。
 第二バチカン公会議が次のように指摘しています。「主は互いに分離したキリスト者の中に、後悔の念と一致へのあこがれを、いっそう豊かに注がれています。・・・この改心と生活の聖性とを、キリスト者の一致のために行われる私的および公的祈願とともに、教会一致運動の全体の魂とみなすべきであり、当然霊的な教会一致運動(エキュメニズム)と呼ぶことができます」そして今年は、第二バチカン公会議開会から50年目の年に当たります。
 第二バチカン公会議が教えたように、私たちは「分たれた兄弟の気持ちを理解しなければならない。そのためには、分たれた兄弟の固有の教義、歴史、霊的生活、礼拝生活、宗教真理、文化に関する正しい知識を習得しなければならない」でしょう。
 キリスト教諸教会、諸団体は、宗教団体の中で、自分が中心であるということを考えがちです。他の教会を自分の寸法で測定してはなりません。
 すべてのキリスト信者が、キリストへの生きた信仰に導かれて、キリストへの純粋な愛を証しできますように。