2012年2月  3.生きる胎児
 数十年前に筑波でロボットの展覧会が開催されました。歩くロボット、働くロボットなど、興味がわくものがたくさんありました。展示する各々のメーカーは、それぞれのパビリオンを持っていました。それとなく、小さいパビリオンに入って驚きました。そこには、ロボットがなく、部屋の真ん中に植物がありました。その植物の幹の直径はおよそ10センチでした。根は土の中ではなく、水の中にあって、見えていました。その水にどんどん肥料を入れていました。その植物は、トマトでした。トマトの一つの小さい種からできたものでした。そして、なんと1万個以上のトマトをどんどん実らせていました。
 その植物を見て生命の神秘を悟りました。ロボットは見事でしたが、ロボットのままで終わってしまいます。ロボットが新しいロボットを産み出すことはできません。トマトは種を作りその種が蒔かれて、次々に世の終わりまで、新しい生命を産み出すことができます。生命の神秘です。人間の場合も、生命を宿した胎児は、細胞をどんどん増やして、ある細胞が目の細胞となり、他の細胞は骨、足の細胞となっていきます。
 宇宙飛行士は、青い地球を見て叫びました。「小さい地球には生命があるから、無限の宇宙の中で最も素晴らしい」と。母の胎内の中で育っていく胎児は、なお素晴らしいのです。NHKは数年前に、日本とアメリカの病院と共同で、「あかちゃん」という映画を作りました。結婚する若いカップルがその録画を見ると、ある人は涙を出すほど感動します。その映画では、科学者と医者が協力して、胎児のさまざまな神秘を描いています。聞き、覚え、感じることができる、まさに胎児は、人間なのです。
 私たち人間は、勝手に、妊娠何週間までなら、何らかの理由で堕胎してもよいなどと決め、法律を作ります。中絶の手術の時、胎児を堕すために、まず胎児を細かく切るそうですが、その胎児は、切られる痛みを感じていると、ある医者から聞きました。
 今週は、世界から妊娠中絶が無くなるように祈るばかりではなく、すべての胎児が親から愛されて、育てられますようにと、生命の源である神に祈りましょう。