2012年2月  4.保健・医療・福祉のために尽くした人びと
 昨年3月11日の大地震と恐ろしい津波のニュースは、全世界に瞬く間に広がっていきました。いろいろな国の方々から、地震や津波などの恐ろしさについてより、日本人の素晴らしい協力や助け合い、忍耐強さを褒める言葉がたくさん届けられました。あの時、緊急の街頭放送で危険を知らせていた方が、自分の目の前に津波が来ることを知りながら、逃げずに放送を続け、津波に巻き込まれてしまうまでマイクを握り、人びとに逃げるように訴え続けました。また、3月11日以降、被災者を助けるために、東北の被災地にはたくさんのボランティアが駆けつけました。
 日本の社会においては高齢者が益々増えています。ある教会の聖体奉仕者の信徒の方は、寝たきりの方々や、弱っておられる方々を慰めるために、ご聖体や本などを持って老人ホームや病院へ出かけて行きます。この奉仕者の訪問は、多くの患者さんたちにとって、大きな喜びです。1ヶ月の間、家族や親戚など誰も見舞いに訪れない人にとって、この奉仕者の訪問がいかに待ちどうしいことか、よく分かります。
 社会の状況は悪くなったと考える方もいるかもしれませんが、よくなったこともたくさんあります。
 キリストは、man for others(他の人のための人間)であることを求めています。この精神は、大津波の後の東日本に明らかに表れていました。仕えられるためではなく、仕えるためにいらしたイエスさま、どうか世界で保健・医療・福祉のために尽くしている兄弟姉妹を強め、慰めてください。また、私たちにもこのような心を与えてください。
 数十年前に教皇ヨハネ・パウロ2世が、当時の昭和天皇を訪問された際に、「カトリック教会が日本のために、特に二つのことをしてくれたことに感謝します」と言われました。その一つは学校のため、もう一つは社会福祉のために尽くしたことです。
 今月、私たち「きょうをささげる」は、弱っている人びとや困っている人びとのために、心を尽くして奉仕している方々のために、祈りたいと思います。