2012年3月  1.母心(ははごころ)
 神がガブリエルという天使を遣わして、マリアに承諾を求めました。救い主をこの世に送ろうとした時に、マリアに母になってくださるように、お頼みになったのです。マリアはそれが神の望みであることを確認したので、次のように天使に応えました。「わたしは主のはしためです。あなたがおっしゃった通り、わたしの身に行われますように」と。そして御自分の体と心をすべて神の救いのみ業のために捧げたのでした。マリアは私たちの模範として、私たちが神の望みにどのように応えればよいかを教えてくださいました。
 神は、男に与えていない大きな恵みを女にお与えになったのです。それは母性です。母心(ははごころ)とも言われます。
 この母性・母心は自分の子どもだけに限られてはいません。すべての弱ったもの、苦しんでいるものに対して、男性よりも深く憐れみを感じ、助けようとする傾きがずっと強いのです。
 一つの例ですが、患者さんに対して男性の医者はどのように治そうかと、まず考えます。女性の医師の場合、まず、その患者さんに痛みがないようにと考えるわけです。両者とも患者の回復を追求していますが、男性は治すということを中心に考え、女性の人は痛みなしに治す、ということを中心に考えているのです。女性はまず、患者の立場になって患者が楽であるように考える傾向が強いのです。
 実際には、今日では、このように本能的に行動する女性が少なくなってきたように思えます。女性も自分のことを大切にして、人にはドライに接します。そして、母心も失われてきています。教皇の願いは、女性たちが、女性に与えられた特別な賜物を活かして、神の恵みを深く感謝し、感受性を育て、悩んでいる人、身体の弱い人、経済的に困っている人たちに対して、母の心をもって喜んで手を差し伸べることです。この教皇の意向に心を合わせて祈るとともに、今の生き方をふりかえり、母心をもって、周りの人たちの喜びの泉になることに努めてまいりましょう。