2012年3月  5.ともに歩む希望の道
 3月も最後の週を迎えます。4月1日には「受難の主日(枝の主日)、そして聖週間へとカトリック教会の典礼は進んでいきます。
 毎年日本のカトリック教会は、この四旬節の間、祈りと節制と愛の業に基づいて生活できるようにと、カリタスジャパンから無料の小冊子を発行しています。今年のタイトルは「つなぐ2012――ともに歩む希望の道」でした。四旬節が始まる灰の水曜日に合わせて、全国の小教区に届くように手配されています。すでに、この小冊子を使って、祈りや分かち合いをされている方もたくさんいらっしゃるでしょう。ここには四旬節中の6つの主日に合わせて、6つの記事が紹介されています。テーマはすべて、カリタスジャパンの活動に関連したもので、そのうち5つは昨年の大震災と原発事故に関することです。
 毎朝、その日の自分を神と人びとのためにささげ、毎晩、その日に感謝して自らの奉献をふりかえる、この「きょうをささげる」の運動は、霊の営み、心の営みが中心です。ところで、四旬節には、「祈り」という心の営みに加えて、「節制」と「愛の業」が求められていることに、気づかれたでしょうか。節制も愛の業も、極めて具体的な行動がともなうものなのです。典型的な例は、断食と献金です。いま、四旬節の大半を過ごして、この期間の自分の節制と愛の業をふりかえってみましょう。その促しは、きっと「つなぐ――2012」から読みとることができるでしょう。
 そして、この祈りに加えた節制と愛の業の習慣が、私たちの信仰生活全般に広がってゆき、「きょうをささげる」の運動が、社会を愛の業で満ちあふれさせる底力となることができますようにと、願ってやみません。