2012年6月  5.リオ+20
 今、ブラジルのリオデジャネイロで国連の「国連持続可能な開発会議(リオ+20)」が開催されています。1992年に開催された「国連環境開発会議(地球サミット)」から20年を経過したのを機に、再びその地で環境と経済発展についての国際会議が開催されているのです。
 この会議のキーワードは持続可能という意味の「サステイナブル(sustainable)」で、1987年に国連の「環境と開発に関する世界委員会」による「われら共有の未来」と題する報告書で「持続可能な開発(sustainable development)」という概念が提唱されました。その語源の「サステイン(sustain)」は「継続する」「続く」という意味です。ピアノには通常二つのペダルがついていますが、右側のペダルを「サステイン・ペダル」と言います。これを踏んでいると、鍵盤を弾いて出した音が、鍵盤を離した後も、継続して聞こえてきます。わたしたちの地球も、いのちの声が、継続して聞こえてくるように、一人ひとりが自分の「サステイン・ペダル」踏みながら、環境に配慮して毎日を過ごすことが求められているのです。
 この会議で、とても気になる報告がなされました。それは、毎年13億トンの食糧が捨てられているというものです。それは、生産量の3分の1にもなり、北米と欧州では一人あたり年間280kg〜300kgにもなります。一方で世界の飢餓人口は、9億人を超えているのです。私たちは、自分の口に入る食糧のことだけしか考えが及ばない愚かさの中に生きていることを、認めざるを得ません。
 定期検査で停止していた原発が、再稼働しました。経済発展が停滞するからという理由です。私たちの経済発展は、確かに持続可能(サステイナブル)なものにするために、エネルギー消費、食糧消費を意識して、日々生活することが、切に求められているのです。
 イエスは、今の世でどのような暮らしをされるか、思いめぐらしながら、「リオ+20」の成功を祈って過ごしてまいりましょう。