2012年8月  1.核廃絶のために祈り、行動する
 8月6日、9日が近づいてきました。今一度、あの過ちを繰り返すまいという決心を新たにしたいものです。
 先月、祝島の方が3人下関に来て、講演をしてくださいました。祝島の島民たちは上関原発建設に30年間反対闘争をし続けた人々です。実際に原発労働で被曝して、その労働の過酷さについて訴えた方、その声を受け最前線で戦い続けた方、それを後方から支え続けた方のこのご三方の言葉には力がありました。
 昨年祝島を訪れる機会を得ました。奇遇にも今回の講演者の一人は、その時に夕食を共にしてくださった方であり、心が高鳴りました。祝島であの夜感じた家庭の温かな雰囲気が思い出されます。その温かな空気を産み出すものは何であるのかを尋ねたところ、「それは、島の一人ひとりが小さい時から、愛され、大切にされてきたからではないでしょうか」と答えてくださいました。ここには福音があると思いました。今回もその方が、福音の視点から分かち合ってくれたので、心を打たれました。「夜、草原に仰向けになり、星空を眺めると、『幸せだなあ』と深い感慨を覚えます。お金も名声も、この幸福感には関係ありません。このような上質の『幸せ』を、祝島の人々はみな味わい、何よりも大切だということを知っている」と、分かち合ってくださったのでした。
 私たち一人ひとりがこの上質の「幸せ」、誰かの犠牲の上に成り立つのではない「素朴な幸せ」の深みを求めていくならば、そして祝島の島民たちのように命を懸けて闘うならば、核を廃絶することができるだろうと思いました。
(脱原発への希望を感じる県知事選の前日に、山口にて)