2012年9月  3.子どもを育む家庭のために
 昨今、日本では児童虐待のニュースが頻繁に報道され、死に至る悲しい事件も目につきます。昨年は5万8千件ほどの児童虐待が届けられているようで、その数の多さに驚き、痛みの極みの心境でした。さらに「失敗子」、「望まない妊娠」といって、我が子を重荷として拒否し排除しようとする親、また、「赤ちゃんポスト」などの利用によって親の責任を放棄してしまうケースなど、まさに今の時代でも「宿屋には彼らの泊まる場所がなかった」(ルカ2・7b)ような悲惨な状況が繰り返されています。
 結婚によって新しい祝福された家庭を築き、我が子を宝としてそのいのちを大切にし、尊い一人の人間として育っていく使命を改めて意識し、養育できるように父親・母親の方々のために祈りましょう。
 独身生活や奉献生活という生き方を選んだ人々も家庭教育への関心と連帯を意識して、子どもの育つ環境に積極的にたずさわり、良い模範となれるように祈りましょう。
 そして、この世に生まれてくるすべての子どものかけがえのない尊い命が、極めて良い存在、神の似姿、特に神の創造の業に預かる使命として、その人生を大切に育む家庭に恵まれますように祈りましょう。