2012年9月の意向
 日本の教会の意向は「子どもを育む家庭」です。愛のうちに子どもを慈しみ育てることは、何よりも親に求められる基本的な姿勢なのですが、日本でも親からの虐待によって、子どもが生命を落とす事件が毎年起きています。児童相談所に寄せられた児童虐待の相談件数は、2010年度には5万件を超えました。虐待者は、実母が約60%、実父が約25%で、実母実父以外の親を合わせると90%を超えている実態があります。私たちもこの現実に向き合って、親たちの心の支えとなり、また子どもたちの安らぎとなることができますように、一人ひとりの役割を、祈りの中で見つけてまいりましょう。
 教皇の意向に重ねて、児童虐待が行われているところにキリストの心で生きる私たちを差し出し、政治にたずさわる人びととともに、子どもの幸せのために尽くしてまいりましょう。


一般: 政治にたずさわる人びと
 政治にたずさわる人びとが、真実に対して、常に誠意と愛をもって臨むことができますように。

宣教: 最も貧しい教会のための援助
 キリスト者の共同体が、最も貧しい教会のために、具体的な人材として、宣教師、司祭、信徒を、喜んで差し出すまでに成長できますように。

日本の教会: 子どもを育む家庭
 日本のすべての家庭が子どもをいつくしみ育てることができますように。

「生きることは、いつの時代でも、容易ではありません。親の役目とは、人生は神からのたまものであること、そのためにそれぞれに豊かな可能性が与えられていることを分からせ、子どもたちが生きることに希望と感謝の気持ちを持ち、思いやりの心を失うことなく、その人らしく生きていく力をつけてやることにあります。そのために、何よりも親に求められることは、揺らぐことのない温かい親の愛を感じさせることです。それが、子どもたちの人生の土台となります。その土台の上に子どもたちは、人生を築き上げていくことができるのです。」
(2001年1月1日 日本カトリック司教団『いのちへのまなざし』 37)
写真: 小林 稔 S.J.