2012年10月の意向
 福音宣教について思いめぐらす一か月といたしましょう。教皇の意向は、キリスト教の伝統をもつ国での教会離れの現実を受けて、新しい福音宣教の推進を願っています。そのことも心に留めながら、「世界宣教の日」のミサでは、神のみこころがこの地球上でかなえられますようにと、祈りましょう。
 日本の教会は、諸宗教対話の推進を掲げています。1984年の「日本の教会の基本方針と優先課題」では、「全ての人を大切にする社会と文化に変革する」ことが基本方針の一つに掲げられました。全人口の0.5%に満たないカトリックの信者だけでは、到底この変革を成し遂げることができません。仏教や神道などの日本の諸宗教、また、ユダヤ教やイスラム教とも心を合わせて、人間のいのちを尊重する社会を築くことができますように祈りましょう。


一般: 新しい福音宣教
 キリスト教の古い伝統をもつ国々で、新しい福音宣教が推進されますように。

宣教: 世界宣教の日
 世界宣教の日の祭儀が、福音宣教への熱意を再び燃えたたせる力となりますように。

日本の教会: 日本における諸宗教対話の推進
 諸宗教対話を通じて、現代の諸問題を解決できますように。

「キリスト教徒も仏教徒も人間のいのちを深く尊重します。それゆえ、隣人愛と自然の尊重を学ぶ際に、環境保護の責務をいっそう自覚させながら、同時に、あらゆる段階と状況における人間のいのちの不可侵性、人格の尊厳、家庭の独自の使命に関する共通の確信を確認することがきわめて重要です。わたしたちがともに人間と環境の健全な関係を深めることができますように。わたしたちは、人類の平和共存のために環境意識を高めることによって、より多く持つことに意味を見いだすのでなく、より深く在ることに意味を見いだすという、大事な生き方をあかしすることができます。そして、それぞれの宗教伝統の洞察と活動を分かち合うことによって、現代世界の幸福に寄与することができます。」
――教皇庁諸宗教対話評議会議長 ジャン=ルイ・トーラン枢機卿
(2010年5月17日 「2010年灌仏会に際しての仏教徒へのメッセージ」)
写真: 小林 稔 S.J.