2012年11月  3.喜びの巡礼
 旅する教会は、先月世界中から170人の代表者を集めて、バチカンに巡礼しました。それは、持っている宝、すなわち、復活のキリストの喜びを、それぞれの国でどのように伝えたら、一番強く、その人びとに感じてもらえかを話し合うためでした。「新しい福音宣教」をテーマとしたシノドス(代表司教会議)です。日本の教会の代表者も、その巡礼の中にいました。
 住みづらい日本の社会の中で、信徒はいかに生きたら、いかに祈ったら、その深い喜びを感じて、その喜びの証し人になれるかに、多くの信徒は悩み苦しんでいます。
 問題になるのは、信仰の深さの他に、いわゆる信仰の「土着化」です。その言葉は新しいひびきをもっていますが、実はもう古く、初めて使われたのは70年ほど前のことです。
 その時まで使われた言葉は「適応」でした。すなわち、西洋のキリスト教をそのまま日本に持ってくることでした。それではまずいと分かって、「接木(つぎき)」などと表現し、その後長い間「土着化」と言ってきました。しかし数年前、やっと適した言葉を見つけました。それは『受肉』です。
 イエスは神の喜びを、肉の人間の形で見せてくださったし、私たちも信仰生活によって、「み言葉」に変わっていくように招かれています。
 この一週間、「受肉」されるように、日々祈りましょう。
 「希望の源である神が、信仰によって得られるあらゆる喜びと平和とであなたがたを満たし、聖霊の力によって希望に満ちあふれさせてくださるように。(ローマ15・13)」