2013年1月  1.2013年を迎えて
 「神の母聖マリア」への取り次ぎを願い、世界に平和が訪れるように祈って、2013年の歩みが始まりました。今、「信仰年」の中にあって、教皇は一般の意向で「キリスト者の信仰」を掲げています。
 多様な価値観が混在する現代社会にあって、物質主義、経済活動万能主義は、私たちをものの豊かな生活へと導きますが、一方で人間として大切なことが忘れられ、失われています。信仰もその一つです。弱さや罪を抱きながら生きる人間の不完全さを認め、いのちの与え主である神により頼むという心を、多くの人びとは失ってしまいました。
 カトリック教会はこのことに危機意識を抱き、第二バチカン公会議から50年を迎えた今日、再び信仰の原点をしっかり押さえて、日々キリスト者として生きることができるように、また、その心を失ってしまった人びとに、再び信仰の光がともるように、教えを学び新しい福音宣教の推進をするように、私たちを招いています。
 教皇は、「カトリック教会のカテキズム」(2002年にカトリック中央協議会より刊行)を学ぶように勧めています。840ページもある厚い本です。しかし、その中身はすべて、私たちの信仰生活の送り方について書かれたものなのです。2010年にはページ数が半分弱になった「カトリック教会のカテキズムの要約」も刊行されました。これは、598の問いにより構成された問答形式で「教会の信仰の本質的かつ根本的な要素」を「簡潔な形」で提示しています。
 今、年の初めにあたって、小教区で、修道院で、あるいはグループで、一緒に少しずつ読み進めていくことを計画してみてはいかがでしょう。