2013年2月  3.歴代教皇の平和と正義への願い
 第二バチカン公会議からの時代において、平和の建設と人権保護にかかわる教会のもっとも画期的な声明は、教皇ヨハネ23世が1963年に著した『地上の平和』(Pacem in terris)でした。キリスト信者ばかりではなく、全世界の善意あるすべての人に宛たこの手紙で、教皇は人間尊重と人権擁護を強く訴えました。
 1967年に教皇パウロ6世は『諸民族の進歩推進について』と回勅を著し、南北問題から生じる貧富の差を告発し、国際的な場面での社会正義の行使を訴えました。ちょうどその年に、教皇は教皇庁に二つの重要な機関:「正義と平和評議会」と「信徒評議会」を設立するに当たって「全世界で教会をあげて正義と平和の促進に取り組む」ように呼びかけました。
 1981年に教皇ヨハネパウロ2世は、広島での平和への呼びかけの中で「正義のもとでの平和を誓おうではありませんか……。不正の支配するところに、平和をもたらし、武器の支配するところに、平和をもたらそうではありませんか」と訴えました(1981年2月23日の広島での呼びかけ参照)。
 そして、現教皇ベネディクト16世は、信仰年を宣言するに当たって、「社会の新しい福音化につとめるように」、そして「社会生活を通して信仰を証しするように」と繰り返して訴えています。
 歴代の教皇の平和への願いを心に留め、この一週間を祈りのうちに過ごしてまいりましょう。