2013年4月 1.いのちの源である典礼 |
この世を生きていく中で、一番近く、親しく、天の御父、イエスさま、聖霊と出会うこと、いっそう親しく神に寄り添っていただける場は、典礼においてだと思います。キリスト教ばかりでなく、他のいずれの宗教でも、典礼儀式は非常に大切にされています。キリスト教では、天地の創造主であり一人ひとりの産みの実父でおられる神と、ひとり子イエス、そして聖霊と、私たち一人ひとりが直接の交わりもつミサ聖祭は、きわめて重要で、何をおいても大事にしなければならないことだと思います。 私たちは、洗礼を受けることにより、荒れ野生まれの生命を、神の国の生命に高め、塵(ちり)にかえる朽ちる生命を、不滅の幸福そのものに変えていただきました。人間の力ではどうにもならない原罪状態を、イエスさまが取り上げてくださったことは、最初の儀式である洗礼の典礼によってです。このようにして始まった、高められた状態を、大切に保つばかりではなく、そのことに感謝して、その愛にお応えして、真心こめてつとめて典礼に与かることにいたしましょう。ミサをはじめとするいろいろな典礼にも積極的に参加することによって、信心と信仰が深められ、一層親しい神との交わりに招いていただけます。洗礼によって植えられた苗を、ぐんぐん成長させ、実り豊かに成熟させていただくのが、典礼です。 典礼に参与するには、単なる受け身の参加ではなく、第二バチカン公会議も勧めているように、できれば、朗読、聖歌、侍者、などによる積極的参加、奉仕が望まれます。典礼における役割を積極的に受け持つこと、行動的参加が望まれます。神の恩恵と、神への奉仕が出会う貴重な場であり、実りが一層豊かになるとされています。 世の中は忙しく、抜けられない仕事があったり、若者はクラブ活動などがあって、主日に教会に集うことができないこともあるでしょう。でも、ミサを始めとした典礼への招きに応えて、できるだけ多く参加するように、また、参加できるように願いましょう。そして、教会共同体の一人ひとりが、典礼を通して霊的に成長することができるように、聖霊のお導きを、心を合わせて祈りましょう。 |