2013年5月  4.差別――貧富の差別
 国連ミレニアム開発目標では、2015年までに達成すべき目標をいくつか揚げています。

●極度の貧困および飢餓の撲滅――1日1ドル(100円)以下で生活をする人口や飢餓に苦しむ人口の割合を1990年の水準の半数に減少させる。
●普遍的初等教育を達成すること――すべての子どもが男女区別なく初等教育の全過程を修了できるようにする。
●男女平等および女性の地位向上の推進――すべての教育レベルにおいて男女格差を解消する。
●乳幼児死亡率の削減――5歳児未満の死亡率を1990年の水準の3分の1に削減する。
●妊産婦の健康改善――妊産婦の死亡率を1990年の水準の4分の1に削減する。
●HIV/AID、マラリアなどの疾病発生を食い止め、発生率を下げる。
●安全な飲料水を継続的に利用できない人々の割合を半減する。

また、2020年までに達成する目標は

●少なくとも1億人のスラム住民の生活を改善する。

となっています。

 これに対して、現在、世界ではどのような状況なのでしょうか。
 世界の富の39%は、世界の人口の1%が持っています。FAO(Food and Agriculture Organization of the United Nations)の調査では、2010年から2012年までの間に8億6800万人の人が飢えていると発表しています。すなわち人類の12.5%の人が飢えています(8人のうち1人)。また、12億トンの食糧があるにもかかわらず、そのうち半分の食べ物は捨てられています。劣悪な飲料水で生活をしている人は、8億8400万人。毎日、4000人の子どもがこの汚い水を飲み、下痢などの症状に苦しみ、死亡しています。
 AIDの患者は、今およそ3300万人と言われます。そのうち2200万人の患者はアフリカにいます。マラリアの罹患者は、2億2000万人と言われ、2009年には100万人がマラリアによって死亡しました。子どもは45分ごとに1人が死亡しています。
 「金持ちとラザロ」(ルカ16・19-31)、「飢えていたときに食べさせ、のどが渇いていたときに飲ませ、・・・」(マタイ25・35-46)でイエスが教えられたように、このような世界のアンバランスを認識して、全人類のために良心的な努力と行いを意識し、世界の貧富の格差を解消できるように祈りましょう。