2013年5月  5.差別――人種による差別
 私たち人類は、皮膚の色の違いだけで、醜い差別を繰り返してきました。北米での歴史を見てみましょう。
 1526年、アフリカの黒人は動物のように捕らえられ、動物のように扱われて、北米に連れてこられて奴隷にされました。1860年、北米の輸出の80%は黒人奴隷の労働に拠っていました。1868年、黒人は市民権を得ました。1896年、黒人は白人と同じであるが白人とは別に生活すべきという法律ができました。1914年、1945年の世界大戦の時、白人と黒人は一緒に戦いましたが、黒人は黒人だけの部隊で戦いました。1955年、黒人女性のロサ・パルカさんは、白人専用のバスに乗っただけで逮捕されました。その年、キング牧師は、バスをボイコットする運動を始めました。1963年、キング牧師は20万人を前に「I have a dream」という演説をワシントンのアメリカ連邦議会とホワイトハウスに向けて行いました。1968年、キング牧師はメルフィスで暗殺されました。同じ年、オリンピックの金メダリストたちは、人種差別に抗議をしました。そして、2008年、北米史上初めての黒人大統領が誕生したのです。
 すべての人間は、人間らしく生きる権利を持っています。また、すべての人間は根本的に同じです。人間が、皮膚の色や性の差などによって差別されることは不正です。しかし、この世の中には、今までたくさんの不正な差別があり、今もたくさん残っているのです。この差別によって人々はいかに大きな苦しみを味わったことでしょうか。すべての人は神の御前で同じです。
 人間の祈りと努力、行いの伴う祈りは必ずみごとな変化をもたらします。すべての差別がなくなり、すべての人が平和のうちに兄弟姉妹として、幸せに生活することができますように、父である神に祈りましょう。