2013年8月  3.平和の連帯
 核廃絶を願い、原発をなくすことが、即、平和に向かう姿を示すのでしょうか。原子力そのものは、良くも悪くもない……、核兵器はともかく、原発そのものが悪いというより、放射性物質を軽々しく扱う人間の行為が問題なのではないでしょうか。
 放射性物質はそれ自体、微量であっても生命体の細胞を破壊する極めて有害な力を持っています。原発に使われるウラン238は、その放射線量が半滅するのに、約44億6800万年もかかります。原発の燃料は、地中深く埋めようと、深海に捨てようと、約90億年もの間、生物にとってきわめて危険であり続けるのです。放射性物質を作り続ければ、実質的に無害なものに再生できない危険物が、無限に蓄積され続けます。投棄のとき封じ込めに使用する物質が先に劣化するので、年月が経過すれば、それだけ核汚染の危険は増大します。
 原発は、稼働費用が比較的安いので、電力を経済的に得られることから、産業界を中心に原発の積極的な利用が望まれています。しかし、今の社会が経済的に豊かになるとしても、地球そのものの未来に重大な危険をもたらす放射性物質の利用が、世界の平和に寄与すると言えるかどうか、熟慮が必要でしょう。
 この現実と将来に、私たちは真摯に向き合い、平和な世界の実現のために、心を合わせて共に証しできますように、祈りを捧げてまいりましょう。