2013年8月  4.アフリカの正義と平和のために
 今、アフリカの教会が伸びています。アメリカのある民間調査機関の統計予測によると、2025年までに、世界のカトリック人口の6分の1以上が、アフリカ大陸に住む人びとになるとの数字が出ています。教育事業、社会事業をとおして働けば働くほど、良い手応えが返ってくる、入信者が増える、そんな声が宣教師たちから聞こえてきます。
 他方、深刻な課題も指摘されています。それは、争いと暴力です。伝統的にアフリカの社会は、欧米のような国家という概念は薄く、部族体制を基に成り立っていました。欧州各国は、植民地としたアフリカを、民族自決の原則によって解放しました。それがかえって部族間の争いを激化させました。
 2009年に開催されたアフリカ司教シノドスでは、アフリカが直面しているもっとも深刻な課題は、正義と平和の欠如であると指摘しました。シノドスの後、教皇ベネディクト十六世は書簡「アフリカの使命」を著し、正義と平和の実現のために、その源泉である福音化が急務であると力説しています(Africae Munus 13)。これを実現するために、全世界が祈りによってアフリカを支えることが不可欠です。
 アフリカの地で忠実に福音を告げ知らせる教会が、正義と平和を推進できますように、心を合わせて祈りましょう。