2013年9月  3.人流と物流に携わる人々への祈り
 一人の学生が大手の運送会社に就職し、山口県光市で働き始めました。学生時代にグリークラブでの部長でもあったし、また大学の聖歌隊のサブチーフの役割も立派に果たして、学業はまあまあでしたが、皆に親しまれる人柄で惜しまれながらの卒業でした。
 彼はこの8月の終りころに、九州大分県の国東半島で開催された、グリークラブの記念演奏会に出演しました。彼は、この演奏会が催される日曜日の朝、山口の周南市の港からフェリーに自分の車を乗せて、はるばる国東半島まで駆けつけてきたのでした。彼は、「自分の仕事では、またいつどこに飛ばされるか知れたものではないけれど、仲間である皆に会える機会はどんな時にも大切にしたいので」と、自分の仕事の特徴を語っていました。そう言えば彼は、もともと人を運ぶ職種に就くことを希望していたし、それが叶わないまでも大手運送会社に就職が決まり、「シベリアへ飛ばされても、心の輪で深くつながっている」ことを何よりも希望したいと語っていました。
 このような就業環境にある新しい社会人のみならず、多くの人々が流通や交通の仕事に従事し、さまざまなレベルで「人間と物の流れ」が秩序正しく円滑であるよう貢献しています。こういった職種の人々の生活が一概に不安定とは言えませんが、その毎日は「移動」の激しさにさらされていることは確かでしょう。そこで私たちは、次のように祈りたいのです。

 「家庭、学校、職場などそれぞれの場で、一人ひとりが自分の使命や役割を落ち着いて考え、その実現に取り組むことができますように。」

 「今日、再び働きに出かける人を、恵みのうちに守ってください。そして、家族と共に憩うふさわしい休みの時を、その人にお与えください。」