2013年10月  4.「世界宣教の日」に際して
 10月はロザリオの月です。自然の中でロザリオを繰りながら祈っていると、御子キリストとともに聖母マリアが目に浮かびます。喜びの玄義の第一は「聖母へのお告げ」です。しかし、その天使のあいさつに、おとめマリアはどれほど驚き感じたでしょうか。「わたしのような少女になぜ」と問い返しています。「なぜ」という疑問詞は、それから先、マリアに一生つきまとうことになりますが、マリアは一貫して「み旨のままに」との答えを続けています。
 さて、10月20日は、「世界宣教の日」です。教皇は、世界の教会は信仰を告知し、愛のわざを行うようにと勧めています。聖フランシスコ・ザビエルは「全世界に行って福音を宣べなさい」とのみことばに従って、日本に宣教にやってきました。彼は初めは高位聖職者になろうと思っていましたが、聖イグナチオに出会って「全世界を手に入れても自分の魂を失っては何もならない」と諭され、改心してイエズス会の創立に参加し、日本まで宣教師としてやってきたのでした。ザビエルは「わたしが日本に行くのは、神の似姿につくられた人々に、創造主を知って欲しいためです」と手紙に記しています。現在も山口に行くと、日本で最初の教会「大道寺跡」が残っていて、そこには井戸があります。そこで当初ザビエルは黙ったまま立って祈っていました。しかし、黙って祈るザビエルに信じる姿をみて、洗礼を受けた人々も多かったのでした。
 ザビエルの働きに思いをいたしながら、今週は神から私自身に託された宣教の使命について思いめぐらして過ごしてまいりましょう。