2013年12月  2.イエスの心で子どもを大切に
 「イエスに触れていただくために、人々は子供たちを連れてきた。弟子たちは、この人々を叱った。しかし、イエスはこれを見て憤り、弟子たちに言われた。「子供たちをわたしのところに来させなさい。妨げてはならない。」そして、子供たちを抱き上げ、手を置いて祝福された。」(マルコ10・13-14a、16)

 カンボジアのタヘンという村で、脳性マヒの弟の車いすを押していた16歳位のユウという娘のことです。一カ月前、ユウの親は、小さい5人の弟や妹を育てるために、ユウを売りました。そのことを知った一人の聖職者は、すぐに車にのってカンボジアとタイとの国境に行って、ユウを買ったブローカーに200ドルを支払い、娘を親に返しました。
 親にとって自分の子どもを売ることは、最大の苦しみでありながらも、それよりもっと小さい子どもを食べさせるために売らざるを得ません。娘たちは売春のために、男の子たちは兵士か、過酷な労働者にするために、ブローカーによって売買されます。ILO(国際労働機関)によると、今、世界で2億1500万人の子どもが働いていて、そのうち、900万人の子どもたちは奴隷のように不法労働をさせられ、200万人の女の子は売春、30万人の男の子は兵士にされています。
 幸いに大勢の人々は、子どもたちをイエスの目で見、イエスの心で子どもたちを大切にします。例えば、15歳のキビ君は、次のように言っています(Vida Nueva 2860の記事)。
 「私はアフリカのベニンに生まれました。両親はアルコール中毒で、おばあさんが私を引き取り、ナイジェリアに連れて行きました。しかし、ある家庭に売られました。私を買った女主人は、時々私を殴ったり、火とナイフで傷をつけたりするので、私はその家から逃げ出しました。そして、ストリート・チルドレンとなりました。その生活は厳しく、飢え、寒さで寝る場所もなく辛い毎日でした。しかし、幸いにサレジオ修道会のシスターが私を拾ってくれました。今は食べ物があり、読み書きを勉強して仕事を学んでいます。」
 このような修道者や施設が増えるように祈りをささげましょう。また、このような方々とさまざまな形で協力するために、私たち一人ひとりに与えられた役割について考え、共に子どもたちの将来を大切にしてまいりましょう。