2014年2月 4.『現代世界憲章』に学ぶ |
イエスは使徒たちに「全世界に行って、すべての造られたものに福音を宣べ伝えなさい」(マルコ16・15)と命じました。その命令に従えば、この日本でもすべてのキリスト者が、同じ福音宣教の使命をいただいていると言えます。 現代社会の日本人、特に貧しい人々とすべての苦しんでいる人々の希望と喜び、悲しみと苦しみは、キリストの弟子たちの希望と喜び、悲しみと苦しみでもあります。連帯感をもって、一つの大きな共同体であることを意識し、この現代社会の日本人に、キリストにおける希望を伝える努力をしたいと思います。 教会は、「人類とその歴史とに、現に深く連帯していると実感している」(『現代世界憲章』1)のです。そして、聖霊に導かれてイエスの福音のメッセージを伝える使命に招かれます。 そのためには、実際的な協力が必要です。世界の発展は経済的な発展だけではないはずです。人間の全面的な要求に答えるべきです。人間は神の似姿として造られているのですから、人間の本性には、神を知り神を愛する力が隠されていることを、伝えなければなりません。教会はその「奉仕」の使命をもっていて、聖霊の導きのもとで使命を果たし続けています。それは「人類に対する責任感」と言われています。 日本文化のキー・ワードである「道」は「キリストの道」を紹介することと結ばれるのです。「キリスト教」と表現するのではなく、信徒の私たちは「キリストの道」と表現したらどうでしょう。なぜなら、「キリスト教」と言う場合には、「教え」は人間の頭で、理性をもって学ぶことだけを指すように受け止められますが、「キリストの道」と言う場合には、『使徒言行録』にも記されているように、「頭から足まで」生きた人間として、イエスが歩いた道を歩むように、というニュアンスが伝わるからです。 「キリストの美しさ」を発見する人々は、現代日本社会の中で、生きがいをもって生き、喜びで満たされるに違いありません。 『現代世界憲章』の冒頭に記された「教会と全人類家族との密接なきずな」から、「キリストの道」を分かち合う意義を汲み取る一週間といたしましょう。 |