2014年4月  1.神を愛し、人を愛す
 4月の世界共通の意向は、「エコロジーと正義」です。被造物を神の賜物として大事にし、天然資源を公平に分配しようとの、教皇の世界全体に向けての望みの表明ですが、最近、街に行くと、物欲を駆り立てるポスターが目立ちます。「金!金! 金!」と露骨です。しかも、消費税の増税に際しては、3月のうちに、インスタント食品、トイレットペーパー等々の、家庭用品の買い置きを勧める始末です。
 大阪の釜ヶ崎では、バブル経済と騒がれ、日雇い労働も好調であった時期がありましたが、キリスト教協友会は、「バブルは必ずはじける。浮かれてはいけない。それよりも人を人として大事にしろ」と強調していました。ところが、その主張は聞き入れてもらえませんでした。
 年度末の3月になると、学校や大会社からトラックで次々と援助物資が運び込まれるのですが、驚いたことに、食料品はすべてと言ってよいほど、賞味期限切れなのです。また、衣類も夏に向かおうとしているのに、古い冬物ばかりなのです。まさかこれらを野宿している労働者に配るわけにはいかないので、集会所は倉庫になってしまいました。
 キリストが言われるように、「隣人を己の如く愛しなさい」――親身になって人のことを思わなければ、結局は自分中心になってしまって、資源を公平に分配することができないのです。人は天地創造をされた神を愛し、畏れるからこそ、そこで隣人愛が生まれてくるのです。
 エコロジーと正義は、神を愛し人を愛することによって、初めて達成できることなのでしょう。神の被造物を愛し、公平に分配する知恵が生まれるように祈りながら、この一週間を過ごしてまいりましょう。