2014年4月  2.時が来る希望を病者に
 今月の福音宣教の意向は「病者の希望」です。この一週間、特に復活された主が、痛みや病気で試練の中にある人々の心を希望で満たしてくださるようにと祈りましょう。
 最近の新聞を開いて驚くことは、実に医療品関係の広告が多いことです。これを服用すれば安眠できるとか、健康が保てるとかと書かれています。更に多いのが精神的不安に対するもので、しかも医薬品ではないとまで断って、使用した有名人の体験が写真入りで掲載されています。病人自身が買うのでしょうか、それとも、介護する人々が買うのでしょうか。いずれにしても病人の痛みや苦しみ・不安が、この広告の反乱に反映されているのでしょう。現在、このような病気の人々の苦しみをキリストはどのようにご覧になっているのでしょうか。
 キリストは常に堂々と語り、語ったことは実行され、そして常に、語った通りに実現されました。特に弱い人に対して愛情を持って接していました。医者に見放され、薬も効かないので何年も苦しんで不安に陥っている人々に対して、病気や心の苦しみを癒す力を示され、必ずと言ってよいほど、自分の手を差し伸べられました。ですから群衆は、常にキリストを探して集まってきたのです。それを時の権力者たちは喜ばず、亡き者にしようと機会を探していたのです。
 キリストは「時の人」です。時が来ればご自分の使命を必ず果たされます。ですから「時がきた」とき、十字架でご自分の生命を捧げられ、救いを全うされたのです。コヘレトが言うように、「何事にも時があり」(3・1)ます。泣く時があれば、笑う時があるのです。キリストは救い主として、今日も一人ひとりの苦しみに対して、時が来れば必ず救ってくださいます。ですから、その希望を大事にしようと、特に病気で苦しむ人々、そして介護している人々のために祈りをささげましょう。