2014年5月  2.平和の伝達
 「あなたがたに平和があるように」。真理を受け入れ、忠実に生きていく人の心は、いつも平和です。平和を乱すのは、おもに恐怖と不安が襲ってくるときです。心が乱れるのです。真理をしっかりと受け入れて、神中心に生きるようにと、すべての人へのメッセージが神から、聖書、聖伝などを通じてもたらされています。
 ところが、アダムとエバによる人祖の原罪以来、失楽園状態で、涙の谷にある現在の私たちは、神の支配を離れて、悪霊の支配下にあるので、真の平和を築きにくくなっています。悪霊、自我、誘惑の力が強く、よほど神の御力にすがらないと、負けやすくなっています。この神との一致を妨げる伝達が、巧みに流されて、神から私たちを引き離そうとする動きがあります。
 その一つは、インターネットの世界だと思います。役立つよい情報を知らせてくれる便利なよいものですが、不道徳、扇情的、自殺を促すような知識をも知らせ、心の平和をたびたび乱すことがあります。しかも、一人で操作しますので、他人と共ならとてもできない情報や知識をも、こっそりと得ることができます。
 この種の情報は、新しい知識を得た喜びとは裏腹に、心の平和を乱します。心を許せば、エスカレートし、不安から立ち上がるのを困難にします。平和どころか、恐怖と不安から立ち上がることも困難にします。まさに、警戒すべき「悪魔の罠」です。
 福音宣教に大きく働くマスメデイアのプラス面は、み国の発展に、広く、深く、よい影響をもたらします。神の国のことを、大いに発信すべきです。しかし、平和は、ピースメーカーといわれるように,造っていくものです。
 その平和を、家庭から造っていきましょう。家庭は、神から与えられたもので、感謝して、へりくだって仕え合う場です。ナザレの聖家族の模範に倣い、お互いを尊敬し、尊重し、譲り合い、支え合い、助け合う、明るい環境を造っていくことは、平和を造り、伝えていく道だと思います。そして、ヨセフとマリアとイエスの模範を、職場、社会へも、同じように伝えていくことができるよう祈りながら、励んでまいりましょう。