2014年5月  3.星である聖母マリア
 時代を越え人類を越えて待っていた言葉は、2000年前にうら若い乙女から発せられた「フィアット(お言葉どおりになりますように)」でした。
 マリアのこの受諾は、全人類が期待していた千金の重みを超えるものでした。涙の谷、荒れ野で過ごす私たち人間への救いの手が、天の御父からの御子イエスの派遣という、いつくしみに充ちる愛によって、マリアを通して実現しました。大きな希望を持って生活できるようになりました。旧約の預言者たちが待ちに待った救い主のご降誕の時が、ついに来たのです。具体的に、天使たちの喜びの大合唱を受けて、羊飼いたち、そして東方の博士たちは、天空の星に導かれて、その場にたどり着き、捧げものをもって礼拝しました。
 今月は、聖母月です。一年中で一番よい季節であり、植物も生き生きとしています。星も一段と輝いています。マリアは、天の御父の手足になられ、神の子イエスを生み育てられました。マリアは、しばしば、天の星や暁の星として星にたとえられます。星を眺めるとき、神秘な世界に導かれます。2000年前の神秘の星は、三人の博士を、イエスがお生まれになった場所に直接に導きました。今でも美しい星空を仰ぐ時、口で神を否定している人でさえ、大自然は広くて美しいとばかりに感嘆します。大自然の美、神聖さ、力などに驚嘆しますが、天地の創造主である神の意識にまで届きません。
 マリアは、神秘の世界からの神の子をその身に宿し、人の子となられたイエスのそばで、仕えられました。そして、今でも天の国から、私たちを導きイエスに取り次いでくださっています。マリアに祈り、黙想し、見倣うことによって、御子イエスにますます近くに導いてくださいます。この一週間を、マリアを通してイエスへ、心を合わせて祈ってまいりましょう。