2014年5月  4.家庭の平和
 今月の意向では、平和のために祈るように勧められています。まず、家庭の平和について、より徹底するように、祈り、努力するようにとの勧めです。
 人は一人で生きていくことはできません。人が生まれ育ち、生活する場は家庭です。ところが、平和な家庭は、自然に湧き出てくるものではありません。一人ひとりの平和を築くための営みによって、保たれているのです。結婚という愛の絆の結晶として、私たちは生まれてきます。この愛のかかわりを大事にして、それぞれの、夫婦愛、親子愛、兄弟姉妹愛を平和のうちに過ごしていけるように努め、祈ってまいりましょう。
 家庭の平和を乱すものは、自我(わがまま)、自分中心に生きていくことだと言われます。平和を保ち続けるためには、配偶者、子、孫は、み摂理のもとに神からいただいたものということを感謝いたしましょう。たとえ性格が合わなくても、意見が違っても、一人ひとりは、父なる神からの愛子(まなご)同士<自分自身も>ですから、その意味で、互いに尊敬の念を持って接するとすれば、どんな環境や境遇にあっても、平和を保つことができると思います。
 ヨセフ、マリア、イエスの聖家族についての細かな描写は聖書にはありません。互いに善意と愛の言葉や行いを心がけたとしても、勘違いや行き違いなどもあったことでしょうが、いつも聖家族が平和のうちに過ごせたのは、互いに尊敬して、譲り合い、与え合い、支え合う明るい雰囲気によるものだと思います。
 現代社会の荒れ野に住む私たちは、悪霊のはたらきによって、子の養育・教育、父母の介護などをおろそかにする無責任なわがままな行為に導かれ、多くの家庭の平和を乱しています。十戒には「父母を敬うべし」と記されていて、社会の最小単位である家庭の平和が強調されています。天の御父が、家庭の平和をいかに強調されているかがうかがわれます。
 すべての家庭が平和を保ち、やがては、三位一体の親元で、そろって、永遠の団欒(だんらん)に与かることができますように、心を込めて祈ってまいりましょう。