2014年6月  3.キリスト者のルーツ
 6月の福音宣教の意向で、教皇は「ヨーロッパの信仰」を取り上げています。その中で「キリスト者のルーツを再発見できますように」と祈ることを勧めています。
 そしてこの6月8日に、教皇は世界中のカトリック信徒に祈りによる支えを願いながら、歴史的な会談と祈りの集いをローマで執り行われました。「聖地の平和のための祈り」を、聖地の平和の鍵を握る二つの政治勢力の指導者、イスラエルのシモン・ペレス大統領とパレスチナのマフムウド・アッバス大統領を招いて、そして東方正教会のバルトロマイ一世コンスタンチノープル総主教の参加のもとで、バチカン内の庭園で開催されたのです。長年対立してきたイスラエルとパレスチナの二人の大統領を前に、フランシスコ教皇は「一度ならず、私たちは平和の実現に近づいてきましたが、そのたびに悪い者がさまざまな手段を用いて妨害に成功してきました」と暴力が悪魔によって引き起こされたことをはっきりと述べて、暴力を終わらせるために、「人間の努力が実らない時、私たちは神の助けが必要なことを理解し、また信じている」と祈りの中で述べたのでした。
 キリスト者のルーツは、言うまでもなく聖地にあります。聖地を同じくするユダヤ教、キリスト教、イスラム教が、心を重ねて平和を祈ることは、人類全体の平和の原点でもあります。カトリックと東方正教会、イスラエルとパレスチナの四人の指導者が祈り、そして互いに抱擁し合って、神の助けを願ったその日、世界中のカトリック教会は主日のミサでその意向を祈りました。この6月の残りの日々を、続けて教皇に心を合わせて、キリスト者のルーツである聖地のために祈ってまいりましょう。