2014年7月  1.スポーツの祭典
 オリンピックと並んで、サッカーのワールドカップは、4年に一度の一大イベントです。今年は南米ブラジルで大会が開催され、世界の地区予選から勝ち上がった32チームが、8つのグループリーグに分かれて予選リーグを戦い、1位と2位が決勝トーナメントに進んで、世界で一番サッカーが強い国を決定します。日本は残念ながら、ブラジル大会への出場を果たしたものの、予選リーグで敗退してしまいました。開催国のブラジル、そして教皇フランシスコの母国アルゼンチンは、順当に勝ち進んで、決勝トーナメント出場を決め、世界のベスト16に名を連ねています。その教皇フランシスコは、今月の意向として「スポーツ」をとりあげ、友情の精神、人間性を育む機会となるようにと祈るように、全世界の人びとに呼びかけています。
 日本は、予選リーグで敗退しましたが、日本の応援団、つまりサポーターが、世界から賞賛されたというニュースが伝えられています。日本チームのユニフォームはブルーです。観客席のサポーターも、ブルー一色に染めて応援をするために、45リットルのブルーのゴミ袋を空気で膨らませて、それを手にもって応援しますが、試合終了とともに、その応援グッズの45リットルの袋は、観客席のゴミ集めのために使われるのです。日本のサポーターは、これまで数々の国際試合の後、観客席の清掃を行ってきたのですが、今回のワールドカップでは、その映像が世界中で放映されて一躍有名になり、ピッチの選手たちのフェアプレーに加えて、サポーターのフェアプレーが賞賛されたのでした。
 ルールに則って自己の限りを尽くし勝利するスポーツ。弱い自分に勝ち、また敵の研鑽努力も承認して、正々堂々と勝負するスポーツ。勝ちたいがためにルールを破ってしまう反則を律する審判が、権威を持って裁くスポーツ。子どものころからスポーツに親しみ、体と心を鍛え、すべての人が大切にされる存在であることを学び、ひいては平和について考えが深まりますように願って、スポーツの祭典の行方を見守ってまいりましょう。