2014年8月  2.オセアニアの小国のために
 教皇の福音宣教の意向は「オセアニア」です。オセアニアとは、ヨーロッパ、アジア、アフリカ、北アメリカ、南アメリカと並ぶ、世界の六大州(six continents)の一つで、オーストラリアとニュージーランドを含む、ポリネシア、ニューギニア、そしてミクロネシア全体を指しています。またオーストラリア領のインド洋上の島、さらには日本の小笠原諸島をも含むこともあります。全体の人口は3700万人ほどです。約3分の1の2400万人がオーストラリアに、また、約700万人がパプアニューギニアに、450万人ほどがニュージーランドに居住していますが、他の小国は、人口が100万人にとどかない、小国の島々です。
 オーストラリアとニュージーランドでは、イギリスの影響で、キリスト教が普及していますが、ヨーロッパからの移民を除けば,現地の習俗の上にキリスト教の信仰が重なっている状態だととらえた方がよいでしょう。
 いま、オセアニアの小国の人たちにとって最も緊急な課題は、地球温暖化による海水面の上昇です。ツバルが水没して、国が無くなってしまう危機に直面していることは、あまりにも有名です。海水面の上昇ばかりでなく、気象が安定せずに洪水や干ばつなどの影響で、野菜や果物が育たない厳しい状況も起きています。
 教皇は、このオセアニアで、すべての人に喜びをもって信仰を伝えていくように呼びかけていますが、先進諸国での化石燃料の巨大消費の影響が明らかになっている今日、喜びを伝えることにいささかの違和感を覚えてしまうのです。オーストラリアでも、ニュージーランドでもエネルギーの消費量は甚大なのです。
 信仰のうちに簡素な生活を心がけて、そこで神の導きのうちに喜びの日々を私たちが送ることができれば、オセアニアの人々にもこの神の導きを喜びをもって伝えていくことができるのでしょう。
 オセアニアに思いを致しながら、日々のエコロジーを実践する日々を過ごしてまいりましょう。