2014年8月  5.災害で家を失うと
 地球温暖化の影響でしょうか、日本を取り巻く気象状況が不安定で、局地的な集中豪雨が頻発しています。土砂災害によってたくさんの家が押し流され破壊され、多くの人命も犠牲になりました。3.11は一度に約2万人もの犠牲者が出てしまった未曾有の災害でしたが、自然災害は今もなお続いているのです。自然災害に対する備えを、一時たりとも忘れないように、日頃から避難の方法について、家族や近隣の人たちと話し合っておきましょう。
 ところで、自然災害で自分の家を失った人は、どのようにして将来を築けばよいのでしょうか。日本赤十字社などが災害義援金を募集して、自治体を経由して被災者に分配する民間の援助が一般的ですが、たとえ激甚災害に指定されたとしても、公的な援助はごくわずかです。日本では、残念ながら「自助」でその災難を克服するほかに、すべはないのです。
 ところが、家を失ったばかりか、同時に愛する家族を失い、その上仕事まで失って、自分だけの力では明日を生きることもできない人たちがいるのです。3.11の被災者の多くは、こうした人びとです。避難民は、生活のめどが立てばやがて自分の家に帰ることができるのですが、帰る家を失った人たちは、まさに「難民」です。広島の安佐南区での土砂災害でも、多くの家が流されました。もちろん3.11の津波でも、町中の家が流された地区もあります。
 8月の意向が「難民」であることに思いを致しながら、家を失っても必死に自助で立ち上がろうとしている人びとの支えとなるために、私たちが何をすることができるのか、いやむしろ、「ために」ではなく「ともに」何をすることができるのかを、祈りの中で探し求める一週間と致しましょう。