2014年10月  2.平和のために祈る日
 平和が叫ばれ続けているにもかかわらず、なかなか平和は訪れません。特に、イラク、シリアに台頭している「イスラム国」は、現在、世界中の脅威となっている現実があります。人の尊厳を踏みにじる殺戮、爆弾テロ、そして、小さい子どもたちまで右手に銃を、左手にナイフを持ち、そこでは非日常の戦争状態が、日常と化してしまっています。その中で育った子どもたちは、機関銃の音、爆弾の音、悲鳴、恐怖のなかで、何を考えることができるのでしょう。自分たちを苦しめている相手に憎しみと敵意を抱き、報復するという負の連鎖が続き、なすすべがありません。
 教皇フランシスコは、イラク北部の人々が体験している人道的危機に直面し、「全教会とすべての信者が、過酷な被害を受けている共同体のために声をそろえて祈り続け、聖霊が平和のたまものを送ってくれるよう祈り求めてほしい」というアピールを今年8月に出されました。
 このアピールに応える形で、日本においても「平和のために祈る日」を2014年10月5日に定めることが9月の常任司教委員会で決定されました。今なお、激しい戦闘が続く国々や地域のために、私たちも心を合わせて祈りをささげてまいりましょう。
 「いつくしみ深い神よ、この世界に聖霊を注ぎ、敵対する人々の心からの怒りの炎を消し去り、絶望にあえぐ人々の心に希望の火をともしてください。あなたが望まれる和解と平和が、一日も早く実現しますように。」