2014年11月  4.「ともに」というメッセージ
 孤独とは、どのような状態を指すのでしょうか。船が難破して、ただ一人無人島に流れ着いた人がいたとして、その人は孤独でしょうか。大都会のアパートで、ほとんど誰も訪ねる者もなく、一人で暮らしている人がいるとして、その人は孤独でしょうか。孤独とは、たとえたくさんの人の中にいても、「自分が誰からも受け入れられていない」「理解されていない」と感じている状態を指すものなのでしょう。たとえ一人でも、自分のことを受け入れ、理解してくれる人がいれば、「孤」でも「独」でもないのでしょう。
 10年以上前のことです。「あしがらさん」という東京新宿で野宿をして暮らしていた方が、路上での生活を離れて笑顔を取り戻すドキュメンタリー映画が制作され、話題になりました。この映画の中で「あんただけは、信用するよ」という、「あしがらさん」の印象的なことばがありました。誰からも受け入れられていない、同じ野宿者仲間との交流もない、そして、なぜ野宿の生活を強いられているのか誰も理解してくれない、まさに孤独のうちに生きていた「あしがらさん」に、ドキュメンタリーの制作者である一人の若者が関わりはじめ、その関わりのなかで「あしがらさん」の口から出た真実の一言でした。やがて関わりの輪が拡がって、「あしがらさん」は孤独な生活から「ともに」という人間としてのあたりまえの生活を取り戻すことができたのでした。
 「ともに」とは、教会が発信するメッセージです。「主は、皆さんとともに」でミサは始まります。そして、交わり(コミュニオン)の生活に招かれます。教会は孤独とは無縁なのです。ですから、誰からも受け入れられていない、理解されていないと感じる人がいれば、教会に招き入れて、交わりの生活を体験していただくことが、近道なのでしょう。
 関わりを閉ざしている人の心の扉を開けるのは、容易ではありません。愛をもって、「ともに」というメッセージを掲げながら、喜びに向かって歩んでいくことができるように、この一週間の祈りと奉仕をささげてまいりましょう。