2014年12月  2.世界エイズデー
 毎年12月1日は、国際連合が定めた「世界エイズデー」です。新たなHIV感染者をゼロにし、エイズで死亡する人が一人でも減るようにと、国連の合同エイズ計画(UNAIDS)では、この機にファクトシートを公表して、様々なキャンペーンを行っています。
 その統計によると、昨年2013年には、3500万人[3320〜3720万人]がHIV の陽性者で、同年新たにHIVに感染した人は、210万人[190〜240万人]と推定されています。そのうちの子どもの数は、24万人[21〜28万人]でした。残念なことに、感染者の数は増大していて、1990年の850万人から4倍強となっています。世界的な視野で見ると、貧しい地域の子どもたちや母親たちに、治療の手が届いていないことが分かります。
 日本の状況はどうでしょうか。2013年の統計ではHIV感染者として2531人が記録されていて、毎年120〜140人の新たな感染者が生じています。血液製剤の薬害からHIV-AIDへの関心が高まった時期がありましたが、感染者がいまだに増加している現状は、日本であまり認識されていません。感染ルートはともかくとして、このウイルスに感染して苦しみの中で生活している人が日本にもいるという現実を受け止めなければなりません。そして、その人たちのためにも、祈りを捧げてまいりたいものです。
 今年は、西アフリカでエボラ出血熱のウイルスへの感染が大流行しました。治療法がまだ確定していない中では、感染は死に直結します。その感染を防ぐためには、何よりも衛生状態の改善が急務です。HIVについても同様です。衛生状態の改善のため、そして治療のために、たくさんの善意の手が、アフリカなどに届けられています。自ら感染する危険と隣り合わせで働くこの人々のためにも、祈りを捧げてまいりましょう。