2015年1月  3.クリスチャン
 クリスチャンとは、誰のことでしょうか。16世紀に宗教改革を経て、キリスト教はカトリックとプロテスタントに袂(たもと)を分かち、礼拝の仕方や、教義を異にしてきました。しかし、信じる対象は、4世紀のニケアとコンスタンチノープルで開催された公会議、(全司教が一同に会して行われる会議)で共通の認識となった「信条」であることは、変わりません。「おとめマリアから生まれた主イエスは、神の子であり、イエスは死と復活をとおして神とともに今も生きておられる。神と神の子イエスと聖霊は三位一体の神であり、その交わりの中にある教会は普遍で、その神を信じるものは、罪がゆるされて、死んだ後も永遠のいのちの中に生きる。」この信仰に生きるものが、クリスチャンなのです。
 その信仰の中に生きるということは、イエスに倣って、神の望みを自分の生き方に重ねて暮らしながら、自分を神と人々のためにささげる生き方に招かれているということなのです。そこには私利も打算も介入する余地はありません。ただひたすら、神と人々に奉仕する生き方です。超越なる三位一体の神を受け入れて、その超越なるものに全て委ねる生き方は、恐れから解放されて神の子としての完全な自由を手に入れられると、その信仰に生きた先人たちは、口々に述べています。
 日本の教会が1月の意向として掲げた「キリスト者の使命」は、クリスチャンとしてどのように日々を生きるかという問いかけです。自分の弱さから生じる数々の迷いや心の揺らぎを、神との対話の中で打ち消しながら、ひたすら神と人々への奉仕に招かれていることに立ち戻って、生活を整えていきたいものです。
 一年が始まるこの時に、クリスチャンの信仰の中心、信じるべきとされていることの骨組みを、「ニケア・コンスタンチノープル信条」の一言一言を確認して、自分に与えられたクリスチャンとしての使命の根っ子と幹を揺らぎのないものにしておきましょう。