2015年1月  4.洗脳とマインドコントロール
 平和を祈る日で始まった2015年も、1月早々に各国でテロによる死者が出ています。テロに加わる人たちの心は、どのように作り変えられてしまうのでしょうか。逃亡生活を続けていたオウム真理教の元幹部・高橋克也被告は、未だにマインドコントロールが解けていないとも言われています。事件からもう20年が経過しているというのに、心は固く閉ざされたままなのでしょうか。
 テロは、宗教と切り離して考えるべきでしょう。宗教の衣を着て、テロ行為の正当性を主張する武装集団のほんとうの狙いを、読み取る知恵が必要でしょう。そして、武装集団の指導者たちは、テロ活動を実行する「ロボット」を作る手立てとして、洗脳とマインドコントロールという手段を使います。その手法はどんなものなのでしょうか。
 洗脳とは、すでに思想や行動様式を身につけた人に対して、すでにあるものを捨てさせ、新たな思想や主義主張を植え付けることです。方法としては、肉体的精神的拷問等の苦痛を与えて、あるいは薬物を投与して思考を不能にさせ、苦痛から逃れる時の快楽と新しい思想とを同時に注入して新しい心を作るやり方が基本です。
 マインドコントロールとは、強制によらず、さも自分の意思で選択したかのように、あらかじめ決められた結論へと誘導する技術によって、指導者の思い通りに、まるで操り人形のように人を操作することです。オウム真理教等のカルト集団で使われた手法です。
 今日のテロでは、洗脳とマインドコントロールとの両方が効果的に用いられて、自爆テロによる無差別殺人の実行者が作られているのでしょう。それでは、どのようにして洗脳とマインドコントロールをなくすことができるのでしょうか。その鍵は、情報の開示です。正しい情報が何時でも誰にでも開示されていることは、とても重要です。洗脳においても、マインドコントロールにおいても、その目的に沿った情報だけが伝えられ、しかもその内容は事実ではなく、都合によって創作されたものなのです。
 教皇の世界共通の意向である「平和」を実現するためにも、テロの根にある洗脳とマインドコントロールにかからないように、すべての情報がすべての人に開示される社会の在り方を願って、この一週間を過ごしてまいりましょう。