2015年3月 3.女性の貢献 |
カトリック教会の信徒の男女の比率は、男性39.5%に対して女性が60.5%となっています。日本の人口の男女比は、48.6%と51.4%ですから、カトリック信徒は、一般社会に比べて女性が多いことが分かります。一つの興味深い数字ですが、家族の全員が信徒である場合が多い長崎教区(長崎県)では、男女比は45.4%、54.6%ですが、成人になって信仰を選び取る人が多い都市部、例えば東京教区(東京都と千葉県)では、36.4%と63.6%と、地域によって男女比が異なっています。いずれにせよ、教会を支えている信徒は、男性より女性のほうが多いということは、歴然とした事実です。 一方で、日本はまだまだ男性中心の社会であることも、認めざるを得ない事実です。閣僚に占める女性の比率の国際比較(2007年)では、日本は11.1%ですが、最も比率の高いノルウェーでは47.4%、フランスで46.7%にも達しています。先頃来日したドイツのアンゲラ・メルケル首相は、歴代最年少の51歳でその職に就き、9年にわたってヨーロッパの経済危機を乗り越えて、今日なお75%の支持を国民から寄せられていることは、男であるか女であるかにかかわりなく、一人ひとりが人間として尊重され、それぞれの能力が最大限に発揮できるような社会が成り立っているからではないでしょうか。 今月の教皇の意向に、「女性の貢献」があげられています。女性が、女性としての能力を最大限に発揮できるような教会となることを、教皇は望んでおられるのです。女性の社会的地位が高いことは、社会の成熟度を見る一つの目安になるほどです。そして、その意識は、一人ひとりの中にある男女観によって、成り立っているのです。 男性ならば、いちばん身近にいる女性が、いただいた賜物(たまもの)を最大限に発揮できるように心がけ、女性ならば、自分がいただいた賜物を最大限に発揮できるように心がけて、この一週間を過ごしてみてはいかがでしょうか。 |