2015年5月  5.平和を実現する人は幸い
 日本カトリック司教協議会は、2月25日に発表した、「平和を実現する人は幸い――今こそ武力によらない平和を」の戦後70年司教団メッセージを、2005年発表の戦後60年司教団メッセージ、そして1995年発表の戦後50年司教団メッセージと合わせて一冊にまとめ、この5月3日の憲法記念日に小冊子として刊行しました。
 カトリック教会は、第二次世界大戦後、第二バチカン公会議を経て、一貫して非暴力を訴えています。そして日本のカトリック教会は、1981年の教皇ヨハネ・パウロ二世の『広島平和アピール』を契機として、8月6日〜15日を「平和旬間」と定めて、平和のための祈りと行動を推進してきました。特にその中で推し進めてきたのは、日本国憲法が掲げる戦争放棄の理念の堅持でした。この憲法第9条を守るために、宗教の枠を超えて「憲法9条を世界の宝に!ピース9(ナイン)の会」の運動も展開しています。
 このようなカトリック教会の祈りと行動とは裏腹に、日本の政治は戦争への道を再び歩み始めたといった観がぬぐいきれません。集団的自衛権の行使が国家で審議され、平和憲法が事実上放棄されることとなる事態が始まろうとしています。
 そのような中にあって、日本の教会は今月の意向として「平和憲法の尊重」を掲げています。「日本の社会が平和憲法の価値を理解し共有できますように」の願いに心を重ねて、イエスが示された徹底的な非暴力の道を、喜んで歩み出していけるように、恵みと力を願い求めて、この一週間を過ごしてまいりましょう。