2015年9月 1.若者の失業 |
![]() 就業の機会についても、課題があります。日本経済の国際競争力を強化するために、かつての終身雇用制度は崩壊し、労働力の余剰と欠乏を調整しやすい非正規の雇用が進みました。その結果、自分が望む職業に就くことが難しくなったばかりか、いつ自分の仕事がなくなってしまうかわからない不安な状況に、若者たちは置かれています。日本の若者の失業率はリーマンショック後に10パーセントを上回ったものの、今では6パーセント台に落ち着いています。それでも、全体の失業率に比べれば、若い人たちほどその率は高くなる傾向は変わりません。 世界に目を広げてみると、ヨーロッパ諸国で高い失業率がみられます。国の経済が苦しいスペインでは、国全体で4人に1人が失業している厳しい状況の中で、若者の失業率が60パーセントを超える状況にもなっています。スペインばかりではなく、他のヨーロッパ諸国でも若者の失業は深刻な問題で、若者たちが希望を失い、過激な思想に走るきっかけとなっています。 今の経済学をもって、失業をなくすことは不可能だといわれています。経済の論理ではない別の仕組みが必要なのでしょう。それは、分かち合いの仕組みです。仕事も分かち合うことが必要なのです。 この一週間、経済の動向に気を配りながら、それを超える新しい道が開けるように、祈りをささげてまいりましょう。 |