2015年9月  2.カテキズムを学ぶ
 1992年、第2バチカン公会議開会の30周年を迎えて、「カトリック教会のカテキズム」が発表されました。そして、それから10年が経過した2002年、待望の日本語への翻訳が完了し、850ページにも及ぶ書籍として刊行されました。
 この本は、第1編が「信仰宣言」と題して、私たちの三位一体の神への信仰を説き、第2編の「キリスト教の神秘を祝う」では七つの秘跡を解説し、第3編「キリストと一致して生きる」では、人間としての基本的な生き方の指針を提示し、第4編では「キリスト教の祈り」と題して、神との交わりの中で神の望みを生きるすべと、イエスが教えた「主の祈り」の解説がなされています。
 カトリックの信徒としてどのように生きればよいのかが記されたこの本は、必要かつ十分な情報が載っているので、調べることを目的として利用するには最適なのですが、読破するのはたいへんです。そこで、2005年にはQ&A形式での「要約(コンペンディウム)」が刊行され、日本でも2010年翻訳が刊行されました。
 この要約も、350ページほどの書物です。一人で読破するには努力が必要ですので、教会などで読書会を開いて、グループで読み進めていくのも一つの方法でしょう。
 今月の教皇の意向に、「カテキスタ」があげられていますが、この言葉は、カトリックの教え、つまりカテキズムを教える人を指しています。教会生活に招かれた私たちが、日々をどのように送ればよいかを、知識として伝える立場にあるカテキスタですが、その人自身もキリスト者として神の望みを生きる人であることが求められるのです。
 知識が豊かで、しかもキリストの弟子として謙遜に愛に生きるカテキスタに出会うことによって、多くの人が信仰の道に招かれるよう、私たちも心を合わせて祈ってまいりましょう。