2015年12月  4.いつくしみの特別聖年
 12月8日、第二バチカン公会議閉幕50周年目にあたる、無原罪の聖マリアの祭日に「いつくしみの特別聖年」が開年しました。世界の教会が、愛といつくしみによって罪深い私たちをゆるしてくださる神に感謝をささげて、私たち自身も神のいつくしみに倣って、愛とゆるしによって、この特別聖年をふさわしく過ごすことができるように、願い求めましょう。
 今、全国のカトリック教会には、いや、全世界の教会には、「迷い出た人間を連れ帰るために両肩で担ぐ御子」を描いた、特別聖年のロゴとともに、教皇のメッセージ(勅書)「イエス・キリスト、父のいつくしみのみ顔」の小冊子と、教皇の「いつくしみの特別聖年のための祈り」が届いています。私たち一人ひとり、それを手にとって、この「きょうをささげる」の運動と同じように、世界中の兄弟姉妹と心を合わせて祈りをささげましょう。
 この特別聖年のスタートに合わせたように、12月の教皇の意向は「神のいつくしみの体験」で、「ゆるされた体験のない人々が、神のいつくしみに触れることができますように」と祈るように勧めています。祈りのことばの中に教皇フランシスコは「すべての人が、神から必要とされ、愛され、ゆるされていると感じることができますように」と綴っています。神から「ゆるされている」と感じること、「ゆるされた体験」は、信仰の核心となり、この愛された罪人である私を、神の望みのためにささげ尽くす大きな力となります。その反対に、まだ「ゆるされている」と感じたことがない、「ゆるされた体験」のない人々は、自分を守ることで精一杯になり、孤立して苦しみの中から抜け出すことができないでいます。
 神から愛されているという実感の中で、罪について黙想し、一人ひとりが愛された罪人であることを受け入れて、神の国への奉仕に導かれるように、この一年の最後の日々を過ごしてまいりましょう。