2016年1月  3.キリスト教一致祈祷週間
 教皇の1月の福音宣教の意向は、「キリスト者の一致」です。歴史の中でキリスト教は信仰実践、つまり礼拝の仕方や教義の解釈の違いによって、分裂を繰り返してきました。その最も大きなものは、教会の荒廃を憂いて、カトリック司祭だったマルティン・ルターなどが主張した、儀式や典礼よりも聖書に立ち戻る運動、「宗教改革」といわれる出来事でした。以来、ローマのカトリック教会以外のキリスト者を「プロテスタント(抗議者)」と呼ぶようになり、実質的にキリスト教は分裂してしまったのでした。16世紀の出来事です。
 このような状況が続く中で、カトリック教会もプロテスタント教会も、違いを乗り越えて一つになる方向を模索しています。さまざまなエキュメニカル(教派を超えた)活動が行われる中にあって、20世紀の初めころから「キリスト教一致祈祷週間」設定されて、カトリック教会とプロテスタント教会が協力して一致に向けた活動を行ってきました。北半球の教会ではこの期間が伝統的に1月18日から1月25日までの期間とされています(南半球は夏休みの期間なので聖霊降臨の前後に設定されることがある)。
 日本でも、日本キリスト教協議会とカトリック中央協議会が協力して冊子を作成し、さまざまな場でともに祈る機会を提供しています(冊子の内容はカトリック中央協議会のウエブ・サイトでも見ることができます)。この冊子には、八日間の聖書の黙想と祈りがプログラムとして提案されています。この機会に、そのプログラムを使って祈ることも、お勧めしたいと思います。
 「きょうをささげる」の運動でも、教皇の意向にもあるように、キリスト教の一致を祈る一週間といたしましょう。