2016年3月 2.また3月11日が巡ってきます |
![]() 何よりもまず、尊い生命を奪われた2万人あまりの人々の、一人ひとりの鎮魂を、全能の神への深い信頼のうちに、祈り願うことから始めましょう。死に至る時間の流れの中で、恐怖、傷み、苦しみ、絶望を抱きながら、無念にも生命を閉じた一人ひとりの思いに、自分の心を重ねて味わってみましょう。そして、今は神の懐(ふところ)で憩いの時を過ごしていることを信じて、すべてを神に委ねましょう。 第2のポイントは、痛手を負った人々が、また痛手を負った地域社会が、元気を取り戻すことができるように祈ることです。特に愛する人を失った人々の心の安寧を願いましょう。写真や動画で、被災の様子が手に取るように伝わってきます。時は戻りません。一人ひとりができることを、心を尽くして行い、すべてを神に委ねて参りましょう。カトリック教会が今も続けて設定している8つのベース(ボランティア拠点)と仙台教区サポートセンターからの情報から、一人ひとりにできることを見つけることができるでしょう。 第3のポイントは、いつ起こるか分からない未曾有の出来事に対して、手を抜くことなく「備え」を行っておくことです。いつどこで起こるか分かりませんが、できる限り自分の生命を守りましょう。もし生命を失えば、決して誰かを助けることができないのです。耐震建築、家具転倒防止、保存食、飲料水、避難袋など、モノの備えも大切ですが、避難路、連絡手段などの情報も集めておきましょう。また、忘れがちなのは人のネットワークです。隣に住んでいる人と一度も挨拶を交わしたことがないのならば、防災上極めて危険だと言わざるを得ません。人間関係の構築も防災上大切なのです。私たち一人ひとりが5年前の辛い経験を智恵に変えていかなければなりません。 祈った時に、思った時に、行動に まで進みましょう。明日、いや、この数秒後に起こるかもしれない未曾有の出来事に、一刻も早く備えをしておきましょう。 |