2016年3月  3.行方不明者なお2,561名
 3月11日が巡ってきました。5年も経過すると、海辺の整備も進み、海岸での行方不明者の捜索の範囲が狭まってきます。しかしつい先日、新たに収集された遺骨のDNA鑑定によって、1人の不明者の身元が判明したと報道されました。警察庁のまとめによると、本年3月現在、震災による死者が15,894人となりましたが、依然として行方不明者が2,561人となっていて、あの未曾有の災害による被害の甚大さ、特に、津波による犠牲の大きさを示しています。今この時に、生命を奪われた方々の鎮魂のために、祈りをおささげいたしましょう。
 災害の爪痕は、被災地にも、また被災者の生活にも心にも、いまだに深く残っています。避難している人は、174,471人もいるのです。そのうち、仮設住宅で暮らす人は5,800人、見なし仮設での避難者を含めると12万人にもなります。福島第一原子力発電所の事故によって避難生活を余儀なくされている人だけに限っても、その数は福島県内に54,174人、県外に43,139人の、合計97,333人となります。これだけ長期にわたっての避難生活は、想像を超える困難の連続でしょう。今この時に、避難している人々のために、祈りをおささげいたしましょう。
 震災の直後から今のこの時まで、数え切れないほどの善意が、この災害からの復旧・復興のために届けられました。救援物資や義援金、公務による捜索活動や支援活動、ボランティア活動などなど、国内だけでなく世界中から善意が寄せられ、被災地と被災者を励まし支えてきました。そしてこの支援の活動は、今後数年間あるいは数十年間、被災地と被災者を支え続けることになるでしょう。今この時に、いつくしみと愛を注いでくださった方々へのために、感謝の祈りをささげましょう。
 そして今、小さなこの私が、あの地震と津波、そして事故で被災した方々のために、私ができる精一杯の善意をささげることができるように、お祈りいたしましょう。