2016年4月 2.大規模農場と小規模農家 |
![]() 今日のように、資本主義経済のもとで民主的な政治が行われる以前は、土地は豪族や貴族、領主のものでした。その時代の既得権益を継承し、今でもアジア・アフリカ、そして南アフリカでは、少数の金持ちが広大な土地を所有している状態が続けられて、その土地で大規模な農場(プランテーション)が行われています。封建時代に小作人として働いていた農夫や奴隷は、狭い土地を分け与えられましたが、それは経済活動として農業を行うには充分だとは言えません。 さて、教皇の4月の世界共通の意向は、小規模農家の人々のためにとなっています。我が国は、第二次世界大戦の後に農地改革が行われ、小規模の農家が経済的に自律できる仕組みができあがりました。その結果、日本の農家の8割が小規模農家であって、そのことは日本の農業経済にプラスに作用しています。ですから、教皇の意向で小規模農家が取り上げられても、その重大さや緊急性が実感できませんが、世界規模で見ると前述の小規模農家の救済は、急務の一つなのでしょう。小規模農家の貴重な労働に対して、経済的に正当な対価が支払われるように、世界の教会と心を合わせて祈ってまいりましょう。 |